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「PTPシートから薬を取り出してよいの?」「むせたらどうする?」と迷うことはありませんか。服薬介助では、薬の名前を暗記すること以上に、利用者ごとの指示を確認し、判断に迷うときは医療職に相談することが大切です。この記事では厚生労働省の通知をもとに、介護職が確認したい範囲と安全上の注意点を整理します。
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介護職の服薬介助はどこまでできる?
介護職が行える薬の使用の介助は、利用者の状態や薬の内容、医療職の判断・助言などによって変わります。「介護職なら必ずできる」「一律に禁止」と決めつけることはできません。現場では本人・家族の依頼、医療職による確認、処方・服薬指導、施設の手順を確かめてください。
厚生労働省の2005年の通知は、容態が安定していること、継続的な専門的観察や誤嚥に関する専門的配慮が必要でないことなどを条件として、薬の使用の介助を整理しています。病状が不安定な場合や専門的管理が必要な薬では、医療職が個別に判断する必要があります。
PTPシートから薬を出す行為は一律に違法ではない
以前の記事では「PTPシートから薬を出すのは医療行為」と断定していましたが、これは現在の厚生労働省の整理と合いません。2025年12月の通知では、一定の前提のもとで、服薬直前にPTPシートから薬剤を取り出すことは原則として医行為ではない行為に挙げられています。PTPシートをハサミなどで1錠ずつ切り離さないよう注意も示されています。
ただし、通知があるから誰でも自己判断で実施してよいわけではありません。対象者の状態、薬の内容、医療職の判断、施設の手順と研修を確認し、不明点は看護職員や薬剤師に相談してください。薬の種類や量を介護職が独断で変更してはいけません。
服薬介助の前・中・後に確認したいこと
介助前:本人・薬・時刻・方法を照合する
- 利用者本人と、その人に用意された薬であることを施設の手順に沿って確認する。
- 服用時刻、用量、用法、変更・中止の連絡がないかを最新の指示で確かめる。
- 普段と違う様子や飲み込みにくさがあれば、介助を始める前に看護職員へ相談する。
薬袋や一包化の表示だけで判断しにくいときは、推測して進めず確認します。
介助中:飲み込みやすさを見て、自己判断で形を変えない
姿勢、水分の種類や量、服薬ゼリー・とろみの使用は、利用者の嚥下状態や薬ごとの指示に合わせます。「必ず水を飲ませる」「むせたらゼリーに変える」と一律に決めないでください。錠剤を砕く、カプセルを開けるなどの変更も薬剤師・医師に確認が必要です。
介助後:飲めたかと体調を記録・共有する
飲み残し、落薬、むせ、眠気など、普段との違いを施設の方法で記録し、必要に応じて看護職員へ伝えます。「飲んだはず」と推測で記録せず、確認できなかった点も共有しましょう。
飲み忘れ・拒否・むせ・誤薬が起きたら
飲み忘れ・服薬拒否
本人が飲みたがらないときは無理に飲ませず、理由と体調を確認して看護職員へ報告します。飲み忘れた分を次の回にまとめて飲ませるなど、介護職だけで服用方法を変更しないでください。
むせ込み・飲み込みにくさ
無理に水や薬を流し込まず、介助を中断して状態を確認します。呼吸状態などに異変があれば、施設の緊急対応手順に従い、速やかに医療職へ連絡してください。その後の剤形や飲ませ方も専門職と相談します。
薬の取り違え・量の間違い・落薬
誤薬が疑われたら、自己判断で追加投与したり、他の薬で埋め合わせたりせず、すぐに看護職員などへ報告します。利用者、薬剤名、量、時刻、実際に飲んだかどうか、現在の様子を分かる範囲で伝え、施設の事故報告手順に従います。
薬の知識を生かせる職場を選ぶには
転職先を検討する際は「服薬介助を任せるか」だけでなく、安全に実施できる体制があるかを確認しましょう。面接や見学では、次の点を質問できます。
- 服薬介助の研修や手順書はありますか?
- 薬の変更・飲み忘れ・誤薬時は誰に、どの順番で連絡しますか?
- 看護職員や薬剤師に相談できる時間帯と方法は?
- 一包化・薬の保管・確認を誰が担当しますか?
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まとめ
服薬介助の範囲は一律ではありません。厚生労働省の通知と施設の手順を踏まえ、利用者ごとの状態と医療職の指示を確認することが基本です。迷ったときや異変があったときは、その場で自己判断を重ねず報告・相談しましょう。
参考:厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(2005年7月)および「同(その3)」(2025年12月)、厚生労働省「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」。

